とりかくれんぼ
(On-Line-Style)





■HOW TO PLAY
―CLICK:次の文章へ進みます。
―[S]キー:最初の分岐シーンまでスキップします。

※ヘッドフォン推奨。


■厭魅法と一人かくれんぼ

有名なところでは『丑の刻詣り』等、人形を用いて行う呪法のことである。
まぁ、正しくはこれは厭法の説明で、魅法の法には言霊を用いた魔封じ的な意味があり、あわせて厭魅法というらしい。
ともあれ、この厭魅法というものも、本作のモデルとなった『一人かくれんぼ』同様、人形を用意することから始まる。
人形、読んで字のごとく人の形をしたものであり、
それゆえに『一人かくれんぼ』においても「手足のあるもの」という条件が含まれているのかもしれない。
そして、用意した人形に手順にのっとって傷つけることで、相手を呪うのである。

少し話がそれるが、、厭魅法に限らず術においては、手順が重視される。
たとえば、物理世界においてりんごが木から落ちるのはあまりに当たり前なことであり、
誰が投げようが物を投げればいつか地面に落ちる。
このように、別に万有引力という理論を知ら無くても万有引力によって引き起こされる事態が
ほぼ必ず「起こる」ように、必要な手順を踏むことによって科学などで説明できるものとは
異なった因果率で望む結果を起こすことができるというのが術の考え方なのである。
ここで重要なのは、あくまでも、正しい手順を踏むことで術が『自動的に』作用する点である。

これはつまり、

動機がなんであるか、
本人にどれだけの才能があるか、

そういうのは術の成否に一切関係ないといっているのである。

これは一見、理解不能で論理矛盾な話のように思えるが、
とてもわかりやすい話で、逆に言えば、『誰にでも』できるからこそ
さっき例に出した丑の刻詣りだって術者の間だけでなく一般にも広まったのだ。
とはいえ、多少なり論理を理解し、研究した上で行使する術者と、
普通の人とではどうしても手順に差が産まれてしまう。
インターネットのように情報を共有できなかった当時では、伝言ゲーム的に手順は歪んでいったことだろう。
そして、歪んだまま今日まで受け継がれている術も存在しているに違いない。
恐ろしいのは先に述べたように術は手順に即して自動的に発動する点であり、
それが産み出された当初には予想だにしなかった怪異を引き起こす可能性がある、ということである。

さて、話を厭魅法に戻す。
平安のころにおいてはそこそこに自由度の高かった厭魅法だが、密教陰陽道が盛んになり、
その因果率が体系的に研究されるようになるにつれ、形式的に偏りが見られるようになってきた。
つまりは因果律が高められていった、ということだ。

こうして完成していった厭魅法のひとつの手順の中に、今回の『一人かくれんぼ』に絡めて面白いものが一つ。

「人形を作るところを他人に見られてはならない」

検証スレッドで怪異が見られなくなった時期と、人形の写真のアップロードの時期とが近いような気がするのだがどうだろうか?
まぁ、『一人かくれんぼ』自体が完成された術だとは私も思っていないし、
暗閉所に長時間一人でいることに起因する自己暗示的幻覚、幻聴だという可能性も十分にありうると思う。
しかし、ただ、この『一人かくれんぼ』という遊びが様々な異常を引き起こしたのは確かだと私は思う。

ともあれ、この遊びは、術として中途半端でたくさん謎に満ちている。
しかし、だからこそ、こんなにも多くの人の心を引き付けたのではないだろうか。


■COMMENT
有名な交霊儀式「一人かくれんぼ」をモデルに製作した
Flashサウンドノベルのオンラインヴァージョンです。
リアルな恐怖をお楽しみください。

あ、それから製作手伝ってくれたFear Production “朝霧”メンバーに感謝。


【紅白FLASH合戦へ戻る】
【ひとりかくれんぼ製作本部へ戻る】
【つぎはぎだらけへ戻る】